通訳の最繁忙期(ピークシーズン)はいつ?注意すべきことは?

通訳者

外国との商談で急遽通訳が必要になった。通訳会社に問い合わせてもどこもつれない返事ばかり・・・ そんな経験をしたことはありませんか?今回は通訳にも最繁忙期(ピークシーズン)があること、予約に当たって注意すべきことをお話しします。

決戦、秋の陣!

通訳者にとって最も忙しい時期は、10月から12月クリスマス前までの約3ヶ月間。この最繁忙期を如何に乗り切るか、手配する側も躍起になって通訳者のスケジュールを確保しようとします。通訳者同様、我々も休んでなんかいられない。網の目を縫うように隙間と隙間の時間帯を埋め合わせて予約をとっていきます。

尤もお得意様はそんな状況を心得ていて、半年、一年前から予約を頂戴するケースも少なくありません。事前にスケジュールを押さえておけば、あとはカットオフ、ファイナル、パックアップとフローに従って操配していくだけです。但し、このような手法は絶対に予約をキャンセルしない、予約した通訳者を確実に利用していただけるクライアント様に限定しています。寝ていても予約が埋まる時期に、いとも簡単に予約をキャンセルされてはたまったものではありません。通訳日が喫緊の場合や日程が決まっていないなど、不確かなお問い合わせに対して通訳会社がつれない返事をするのには、そのような背景があるのです。

欧米のシーズナリティ

何故10月からクリスマス前なのか?それはヨーロッパやアメリカのシーズナリティと密接に絡んでいるからです。秋に来日する彼ら、彼女らは夏の間、長期バカンスに出かけます。休暇が終わって商談に向けて準備をするのが8月下旬から9月一杯まで。10月になると来日して商談を開始します。東京ビッグサイトや幕張メッセで大規模な見本市が開催されたり、ワークショップを開いたりするのも10月、11月に集中します。どうしてクリスマス前なのかって? それは欧米人にとってクリスマスは家族と過ごす大事な歳時記だから。12月に入ると少し需要は落ち着いてきますが、クリスマス休暇の前に急いで商談を纏めようと12月中旬過ぎまで通訳者を求める需要は続きます。

高いモノには理由がある。安いモノにはワケがある。

通訳をお願いする場合、いったいどの程度の料金がかかるのか。初めて通訳を手配するときに、最も気になる関心事といっても過言ではないと思います。結論から言って繁忙期だからといって通訳料が高くなるわけではありません。年間を通じて通訳料は均一です。安ければ安いに越したことはありませんが驚くなかれ、私たちの会社は高価格帯の上位通訳者から予約が埋まっていきます。大事な商談を活かすも殺すも通訳者の技量次第。高い専門知識と高付加価値をもつ通訳者は誰もが引っ張りだこです。ご予約のタイミングが遅れて上位通訳者を確保できず、商談の場で十分な成果を上げられなかったときにクライアント様が落胆されているご様子を垣間見ると胸が痛くなることがあります。高いモノには理由がある。安いモノにはワケがある。通訳会社が安易に値引きしない理由は、通訳品質を担保するからに他なりません。

まとめ

通訳の最繁忙期は10月~12月中旬です。この時期のご予約に関するお問い合わせ件数は通常期の5倍から6倍程度まで急増します。今後も通訳需要が見込まれる場合は、信頼できる通訳会社を特定することをお奨めします。ご予約のタイミングはお早目に、リピーターのクライアント様は半年、一年前から通訳者をご指名の上、スケジュールを確保されています。通訳会社は確実に利用してくださるクライアント様なのか、そうでないのかを見極めながら対処せざるを得ず、通訳日まで時間的猶予がない急なお問い合わせや、相見積依頼には十分な対応をすることが難しい時期なのです。